「統合型流体シミュレーション」

 

流体問題における数値解法としては、汎用性の高さから有限差分法(FDM)が多用されていますが、汎用性の追求は概して計算精度と計算効率を犠牲にする傾向があります。事実、FDMは数値分散や格子方位の影響を受けることが知られています。

 

私たちが扱う流体問題は多種多様であり、一つの解法があらゆる問題に適しているということはあり得ません。対象のスケール、形状、性状を把握した上で、問題毎に適した数値解法を選択することが重要なのです。また、それぞれの解法を排他的関係に位置づけるのではなく、上手に使い分け、あるいは同時に適用し、ある流体挙動を多側面から攻究することも大切です。

 

このような観点から、FDMはもちろんのこと、複素変数境界要素法、境界要素法、格子ボルツマン法、CIP法などを統合的に利用したシミュレーション技術を開発し、流体挙動の解明に取り組んでいます。

 

複素変数境界要素法

フラクチャーを通過する流れ

フラクチャー内の流体混合

ストリームライン法

■ 境界要素法

摂動法を用いた不均質媒体内流動のモデリング

■ 有限差分法

超臨界二酸化炭素の多孔質媒体内流動シミュレーション

天然亀裂型媒体の浸透率テンソル

■ 格子ボルツマン法

非平衡系としての多相流動

気・液・液三相界面の形成過程

■ CIP法

ミシブル攻法時の成分フロント追跡